テキストサイズ

大切な人へ

第34章 ごめんね


「日野にもあぁしたの?」

『そんなわけないでしょ 笑
頑張ったねって言っただけ』


もうすっかり夏休み

野球漬けだったけど彼はちゃんと勉強してた
期末も成績が落ちなかったのは本当にすごいと思う

最後の試合当日はゆっくり休んで
次の日には期末試験の復習に付き合ってって呼ばれた


井川くんって実は本当に真面目で頑張り屋さんなの
そんなところも好きですよ

今はコーヒーブレイク中


「春の練習試合の時に日野と再会してたんだろ?
知り合いってなんでその後言わなかった?」

『なんでかな...特に意味ないかも
幼馴染に会っただけだし食事して帰っただけだし...』

彼は穏やかなままだったから
普通に思ったことを答えてた

ふーんって聞いてる顔も怒ってない...


『日野くんが負けちゃったときね
対戦相手の井川くんの前では
色々話しにくいだろうなって思った
泣きたくても泣けないだろうなって

でも私たち昔はよく一緒に泣いてたから 笑
友達が悲しんでるの放って置きたくなかった』

「...うん。わかってる」


またふわって優しく笑ってくれる

ストーリーメニュー

TOPTOPへ