
大切な人へ
第35章 井川くんと翔ちゃん
上がる花火よりも
消える花火ばかりを目で追って
空はまた暗くなって
花火は終わった...
「よく見えただろ?」
『うん...綺麗だったね』
耳もとで井川くんの声がして現実に戻った
「美優...無理して笑わなくていい」 『...え?』
彼はそれだけ言って抱きしめてくれた
ほんとに彼は...私のどこまで見えているんだろう
今の気持ちだけは見えてほしくないのにな...
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「どこに向かってんの?図書館こっちじゃないだろ」
『図書館じゃない勉強できるところ!
冷房もあって冷たい飲み物もあるよ!最高だね 笑』
私は井川くんをある場所につれてきた。
偶然彼と同じ質問をしてきた人のところへ
『こんにちはー!おばさんおじさんお久しぶりです‼
お元気でしたか~⁇』
いらっしゃーい!と私を歓迎してくれたのは
ある人のご両親 ここはその人の家で喫茶店なの
「いらっしゃい美優ちゃん井川くん!」
「...なんで日野がいるんだよ」
ここ俺の家だよ?って言う彼に驚く井川くん 笑
『たまたま2人が同じこと聞いてきたから
一緒に教えようと思って♪お勉強会だよ』
久しぶりに見た彼のちょっと怒った顔
だからこそっと耳打ちした
2人で会うよりは安心でしょ?って
そしたら少しだけ...ほんとに少し納得してた
日野くんが両親に井川くんを紹介すると
ものすごく食いついてた
家族で野球好きな彼の家でも
井川くんは有名人だったらしく
2人に握手さてれたよ 笑
