
大切な人へ
第35章 井川くんと翔ちゃん
美優ちゃん大物を捕まえたなって
おじさんに冷やかされる
そうだね...いい人と付き合ってると思う
私の両親の写真が見てみたいって井川くんが言って
おばさんがアルバムを持って来てくれた
そこに映る私は今よりも髪が短くてよく笑ってた
「ほんとだ...お母さん綺麗で美優と似てる」
みんなの雑談の中 彼の言葉を私は聞き流していた...
私はずっと写真の中のお父さんを見てた
「そういえばさ...」
おばさん達が仕事に戻って勉強に戻る前に
翔ちゃんが私たちに言った
「井川くんは美優って呼ぶのに
美優ちゃんって井川くんって呼んでるの?」
「『 ...... 。 』」
「あれ...?聞いちゃダメだった件?」
井川くんは黙って私を見てる...
『そんなことないけど...
ただタイミングを逃してたというか...
今更ちょっと恥ずかしいというか...』
「うわ 笑 真っ赤だよ?」
自分でもわかります...
翔ちゃんは私を見て笑ってるけどさ
「日野のことも翔ちゃんって呼ぶのにな?」
「ね?彼氏なんだし井川くんは…ねぇ?」
『...じゃなんて呼んだらいいの?』
2人が仲良くなってるし…
顔をさっきのバスタオルで隠して目だけだした
「普通に下でいいよ」
『…しっ_______』
……無理‼
2人に見られてたら余計言えない...
