
大切な人へ
第37章 強くなりたい
その次の日は日曜日だったから
まだ寝ている彼を起こさないようにそっと起きた
顔の近くにあった彼の手は
前と変わらずごつごつしていて豆もある
今もしょっちゅうバットを振ったりボールを投げたり
してるんだよね?
『ありがと...慎也くん』
小さく囁いて 彼の頬にキスをした
朝食の準備をしていると彼も起きて
私が笑顔であいさつすると彼も少し笑顔で返してくれる
大丈夫?って聞いてくれて
じゃぁ慎也くんがキスしてくれる?って言ったら
何度もしてくれた
幸せで...穏やかな朝だった
_________
「やっと解決したんだ?よかったね」
学校で優しい笑顔で上田くんが言ってくれる
『お騒がせしました!その穴埋めに
しばらくバイト増えちゃったけどね 笑』
井川くんは私がしたビンタの話しを2人にも話して
かっこよかったって笑ってた
2人はかなりびっくりしてたけど
見たかったなって笑ってた
みんなが笑ってて 私も一緒に笑ってた
私は少し強くなれたのかもしれない
守りたいものができると力が沸くんだね
今私の守りたいものは紗羅と上田くんと...
一番は井川くんだと思う
先生じゃ...
ないと思う
