
大切な人へ
第39章 気付けなかった
「私もこの事は引き継いだんだ。これは本人には
伝えないでほしいと母親が希望してることだと。」
お母さんが希望?
始まりは2年生の2学期に入ってすぐだったそうだ
学校が私の実家に電話をして私の近況を伝えたらしい
通知表の内容や試験の結果を伝えると
母は驚き...喜んだらしい。
そしてこれからも何かあれば電話をすると約束したそう
私には内緒でと...
母は私に嫌われているからと言っていたそうだ
先生はそれを否定したが母は受け入れず内緒のままで
冬のあの事は伝えていないから安心しろと言われた
試験の度に電話はされていた
初めて進路を書いたこともすぐに伝えられたそうだ
でも何かに迷っていることも...
明確に進路を決めた2年の終わりに
私が入学金の事を気にしていると
母はこの時に知ったらしい
今まで生活費の振り込みに手をつけなかった私に
申し訳ないことをしたと泣いていたそうだ
使わなかったのは私なのに どうしてあなたが泣くの
そして入学金を用意するからそのまま受験を
するように指導してほしいと...母は言っていたらしい
「3年になって1番をとったことを伝えた時に
私も初めて話したんだ。喜んでいた頑張ったのねって」
私は何も知らなかった...
涙が止まらなかった...
ごめんね
お母さん
