
大切な人へ
第39章 気付けなかった
電話の窓口になると言ったのは鈴木先生だったそうだ
2年の2学期と言えばもう告白をしていた
彼はあの時から母と話していたんだ...
会ったこともあると言っていた
そんなことを...してたんだ
一歩間違えば危険なことを
その頃の記憶をたどっていくと
胸が苦しい...
私はどれだけあなたに守られていたの...
どれだけ支えられていたの...
どれだけあなたに愛されていたんだろう
あの頃のあなたの葛藤や苦悩を考えると
はかり知れず…また苦しい
それなのに私は全てをあたなたに背負わせてしまった
私は何も気づいてなかった...
彼の愛も
母の愛も
気付けなかった
