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大切な人へ

第40章 母の愛


『私お母さんに髪の話し...した?』

全然記憶になかった だから知らないと思ってたのに


「うぅん。でも近くで聞こえてたの
お父さんがそう言ったときあなたの言葉が嬉しくてね」



じゃぁお母さんと同じくらい伸ばす!

わたし、お母さんみたいになりたいっ!

それでね?お父さんみたいな人とけっこんするの!





そうだ...私そう言ったんだ



母が持って来てくれた写真は2年の時の文化祭で
クラスで撮った時のものだった

私は真ん中で笑ってて横には紗羅や...2人がいる


多分上田くんに先生が頼んだんだろうな...





母はその後私を2階に連れて行った

以前私が使っていた部屋へ

ドアを開けると

そこは何も変わっていなかった

ただずっと掃除されていたのがわかる


「この家はね?美優の家なのよ?
だからいつでも帰ってきてね」


今度は私が母に抱きつきわんわん泣いた


でもあなたが家事が得意じゃないのも知ってるよ?


『掃除してくれたのも植物の世話も...
隆之さんがしてくれたんでしょ?』

「ふふっ わかった?
でも私も手伝ったのよ?何度かね」


母のこの優しい笑顔が好きだった




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