
大切な人へ
第40章 母の愛
最後に大学の話しをした
そしたら母が出したのは1冊の通帳だった
そのカードは私が家を出るときに
無理やり持たされたものだった
私はそのカードも一度も使わず持っていたのだ
初めて通帳を開くとそこには入学してから毎月毎月
母から仕送りが振り込まれていた
出ていく時に使ってねって言ってたもんね
でも私は自分の約束を優先させてた
アルバイトをしてきちんと生活していることは
彼からは聞いていたけど ずっと続けていてくれたんだ
ほぼ3年間貯められていたその残高は
私の志望大学の入学金を超えるものだった
「これはあなたが貯めたお金なのよ
だから自分の夢を叶えるために使って?」
夢が決まったんなら手を抜いたら許さないからって...
母らしい喝を入れられた
でも免除になるように頑張りたかったから
もしそうなったら隆之さんと3人で海外旅行に
行きたいって言ったら 2人は喜んでくれた
母も絶対に休みをつくるって言ってくれてた
あなたにはかなり難しいんでしょ? 笑
隆之さんにこっそり母の近況を聞いたけど
やっぱり多忙で連休すら難しいらしい
自由奔放な母のお世話のお礼と
これからもお願いしますと頭を下げると
隆之さんは笑顔で任せてくださいって言ってくれたよ?
よかったねお母さん
幸せそうでよかったよ
