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大切な人へ

第41章 磁石


私は彼のことしか考えずそこに向かった

このドアを最後に開けたのは...そうだ

先生にあぁ言ってもらった日以来なんだ



夢が見つかるといいねって言ってもらったあの日

そしてこう誓ったんだ...

優しいあなたを困らせたくないから

あなたが望む関係でいたい__って





そのドアを開けると先生は待ってくれていた


奥の準備室の椅子に座らされて

タオルと温かいコーヒーを入れてくれた



私ここにいてもいいのかな...

今更の恐怖感に俯いた


「もう生徒も誰もいなから...大丈夫」

そう言って彼は私の近くの椅子に座った


「どうしたの?...また何か悩んでる?」

彼は優しく穏やかに言ってくれる



『悩んでます...だから教えてほしい』

「...何を教えてほしい?」


そう聞かれて言葉に詰まった...

全然整理できない頭の中で

何をどう聞けばいいのかわからない





『...先生の趣味は何ですか?』

彼は驚いた顔で瞬きをしていた


私何聞いてるんだろ...

そんな顔になるよね


クスッて私が笑うと

「ダイビングかな」


意外な答えにびっくりしてもっと笑ってしまった

言わなかった?って先生も笑ってる



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