
大切な人へ
第41章 磁石
「大切な人だから幸せになってほしい」
(大切な人だから幸せになってほしい)
私の想いと彼の言葉が重なった...
同じ気持ちだったんだね...
それで別れを選んだ彼
それでもそばにいたかった私
似ているのに...
違う答えを出しちゃうんだね 私たちは...
「でもごめん...
あの時にちゃんと話せなくて...苦しかったでしょ?
離れるって決めたのに美優の顔見たら言えなかった。
全然気持ちが決まってなかったんだ...」
『じゃ…それ以降も目が合うと悲しそうだったのは...』
「...ずっと好きだった」
先生もずっと...好きでいてくれたの?
彼のその言葉にドクンっと心臓が鳴った
「でももう繰り返したくない
それに今は美優を笑わせてくれる井川がいるから」
その名前にまた心臓が鳴った...
ズキンッっと感じる痛みが走る
「別れに行ったすぐ...井川に怒られたよ」
『...え⁉』
初めて聞いた話にかなり驚いた...
体育祭よりも前にも
話してたの?井川くん
