
大切な人へ
第42章 見つめる
私にとって大切なことってなんだろう...
私はH大の教育学部を合格することが出来た
でも入学金の免除にはとどかなかった
その代わり授業料の一部免除は受けられることになった
母に連絡するとすごく喜んでくれた
井川くんは滑り止めは合格したけど
H大には不合格だった
でも2次試験を受けることを決めたんだ
入りたいって決めたからやれるところまでやるって...
もう私たちの卒業は近かった...
2月はほとんど学校に行かなくてよくて...
私はH大の近くの部屋を決めたりバイトを探してて...
井川くんには連絡するのも悪いから
たまにこそっと差し入れをお母さんに渡してた
私のお守りも彼に預けた
同じ大学に行きたいからじゃなくて
彼の決めたことを応援したかったの
卒業式の少し前
彼に呼ばれて会った
卒業までに決めろって...
どっちを選んでも俺は変わらないからって...
「あいつを選んだらあいつのところに行け
俺を選んだら俺のとこにこい
2人ともお前の幸せを望んでる」
彼が歩く後ろ姿をずっと見てた...
