
大切な人へ
第5章 終業式
『ありがとうございます…
ずっと…誰にも言えなかった
自慢に聞こえないかとか…
どんな風に思われるだろうって…恐かった』
「ずっとそんな風に考えてたの?」
『はい…』
彼は眉を少し歪めてふっと笑い
「苦しかったでしょ?藍野さんみたいに
モテそうな子が…何回くらいされたの告白」
意地悪な質問
『言いません!それこそ自慢でしょ?』
怒ってないけどそんなフリをして言った。
「あ…だから彼氏いないんだ?」
…… 。そんなあっさり言わないで
「じゃぁ 好きな人もいないの?」
『…います』
もうヤケになって言ってしまった…
「告白してみたら?」
『え!?』
私の大きな返事にクスクス笑われ
「藍野さんなら大丈夫だよ。いい子だし」
……先生は罪な人だ
