テキストサイズ

大切な人へ

第5章 終業式



ー先生sideー





明日から夏休みに入る

有給消化のため休みは増えるが
補習や補講とその準備もあるし
副顧問だけど陸上部の練習にも顔を出す


終業式が終わってから俺はすぐ
いつもの科学準備室で仕事をしていた
ここは静かで集中できるから




チャイムが数回なって窓から生徒の声がする
HRが終わったのだ。
一息ついてコーヒーを入れ風にあたる


何気なく下を見るとベンチに座る男女が目に入った
……藍野さんだ

彼女の長い黒髪は目をひく
まっすぐでサラサラで重いというより清楚
白い肌にスラッとした体もそう見せている


話は聞こえないが いい雰囲気ではない
男は焦り 彼女は…泣いてる?
男を置いて走っていった…


_____仕事に戻る。色恋には干渉したくない


カタカタとキーボードをたたき集中する
でも彼女が泣いてる姿が頭から離れない…




とりあえず今日の仕事が終わり、窓に近付く
正面の棟の1つ上の階が彼女のクラス
もう3時を過ぎたし誰もいないはず…?

その視界に1人の女子を見つけた。
イヤな予感がする…先程の様子が甦る
でも彼女かわからない


考えているとスマホがなる…
その文面に今のがそうだと確信する
次の瞬間には俺の体は動き出していた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ