
大切な人へ
第58章 晄人さんとお友達
今日集まったのは全部で9人 女性は私だけだった
たまにこうして誰かの彼女とかがくるらしいけど
晄人さんが彼女を連れてきたのは初めてらしい
「生徒だったんでしょ?いつから好きだったの?」
「どっちから告ったの?」
飲みの席が始まると案の定こんな質問の山...
答えに困るものばっかりで
『私が一方的に好きだったんです
先生はずっと大人でしたから、全部卒業してからです』
そう言ってキッチンの方に逃げた
そこでは祐司さんが色々してくれてて
手伝わせてほしいって言うと
大変そうだねって笑って一緒に料理をさせてくれた
彼は冷やかすようなことは言わずに
今の生活のこととかを聞いてくれたの
彼は晄人さんと同期で同じ大学に入って
1年の時からずっと仲が良かったんだって
「晄人優しいでしょ?
目立つタイプじゃないけどいい奴だから
自然と周りに人が集まるんだよ。昔からな」
『昔からなんですね。わかります
優しすぎて甘えっぱなしです』
話し方も雰囲気も大人で
祐司さんも優しい人なんだろうなって思った
なのに...
「だから昔からモテた
俺らの中では1番だったんじゃないかな」
ちらっと横目で見た彼は
少しいたずらっぽく笑ってた
