
大切な人へ
第63章 元恋人
その話を聞いてる彼を見れなくて俯いてた...
肩をポンとたたかれて顔をあげると
少し酔っていた彼の顔が白くなってた
大丈夫だからって言ってもずっと晄人さんは謝ってて
ちらっと睨んだ祐司さんは知らん顔
口に出した方の願いは叶いませんでした...
それからもそのバーで会う事もあったけど
それ以降その話題には誰も触れずにいてくれた
リクエストをしてくれる他のお客さんとも
話したりお礼に一杯頂いたりするようになった
「美優ちゃんのステージ人気だから助かる
SNS見て来てくれる人もいるんだよ?」
嬉しいです。私は無料のカラオケだし
晄人さんのお酒代も浮いてるしね 笑
その日もピアノを弾いたり歌ったりしてて
晄人さんは友達や店長さんと話してた
何曲か終わってテーブルを見ると__
この感じ...久しぶりだな
私がいた晄人さんの隣の席に
ぴったりと寄り添った女の人が座ってた
「あー...横にいるんだ」
浮かない顔の私の視線に気付いた店長さん
あの人は昔の彼女さんだって教えてくれた__
