
大切な人へ
第63章 元恋人
涙が溢れる私をぎゅっと抱きしめた
「ごめん...今更こんな事言ってごめん
自分がこんな嫉妬深いと思わなかった」
いつもの優しい彼に戻ったみたい…
でもそうさせたのは私
自分のしたことを棚に上げてた__
『うぅん...私も昔のこと言ってごめんなさい
綾さんと自分を比べちゃって嫉妬してました』
お互いにごめんって言って抱き合ってた
でもこうなると長い私たち
2人で自然と笑ってた
もうやめよって
「美優は綺麗だよ...誰とも比べなくていい」
今度はすごく優しいキスだった
『晄人さんは...私といて恥ずかしくないですか?』
少し驚いたようにどうして?って聞かれた
だって...
『メイクしても着飾っても...
子供っぽく見えるだろうし、まだ学生だし
釣り合ってないとか趣味悪いとか
友達には言われたりしませんか?』
___どうして?
私が真剣に話してるのに
彼はクスクス笑いながら頭を撫でてた
「そんなこと言われたことないよ
可愛いとかいい子だなとしか言われない
姉も千香ちゃんも美優の事好きだよ?」
『ほら...子供に言うみたいになってる』
小声で言うと
本気で言ってるの?聞かれた
本気だよ...
「まだ今はみんな知らないだけだよ
美優がどれだけ素敵な女性になっていくのか__
近いうちに俺にはもったいないくらいになるから
俺はもうそう思ってるよ?」
優しくそう言ってくれて嬉しかった
だからもうこんな事言うの辞めようって思った
それこそ子供だよね...
