
大切な人へ
第64章 告白
「でもね...決められたのは美優のおかげなんだ」
優しく語りかけてくれる...
「美優が頑張ってる姿をずっと見て来て
その頃の自分の事をよく考えてた。
教育と言えば漠然と教師を思い描いて
進学して試験を受けて...自然とそうなってた」
「でも美優は家庭教師や塾も同じ教育だって言った
それは事実で自分の可能性を考える美優を見て
自分を見直すことが出来た
違う方向からの教育をしてみたいって思った」
彼は参考書などの教育本の出版に携わりたいらしい
でもかなり難しい転職だってわかってたから
料理とか家の事を練習しながら
少しずつ勉強したり準備してたんだって
『全然気付かなかった...
やっとわかったよ。晄人さんの変化の理由』
「反対されるくらいならいいけど
美優は絶対自分を責めるから 笑」
ふっと笑って私の手を握った
「だからね...もし採用されても収入はかなり減る
だめならフリーターかもしれないけどさ
...それでもそばにいてくれる?」
申し訳なさそうに俯く彼
そんなの決まってるじゃない!
『当たり前です!ずっとそばにいます!』
私はぎゅっと彼に抱きついた
