大切な人へ
第9章 伝えたい
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『先生の気持ち...
嬉しすぎて外で叫びたくなるくらい嬉しい!』
赤い顔で本当に嬉しそうに笑う彼女を見て
俺もつられて笑ってしまう
顔を洗いたいと手洗い場に走っていく
彼女の後ろ姿を見て考える...
本当の気持ちを伝えるのは
やっぱり良くなかったんじゃないか...
良くないに決まっているのに
俺は言ってしまったんだ
彼女を悲しませることしかできない自分が
不甲斐なかった...
それから公園を少し散歩して帰路につく
『ねえ先生?私にドキドキしてくれたことって
あったんですか?』
「うん」
『え!?いつですか?』
「秘密」
『えー!』
2人の笑い声が車内に響く
『1つだけお願い 聞いてもらえませんか?』
信号待ちで彼女の少し落ち着いた声に
そちらを向いた
『もう1回だけ...美優って呼んでほしい』
みるみる赤くなっていく彼女に素直に言った
「美優...」
赤い顔で嬉しそうに笑いお礼を言った
そんな彼女をとても愛らしいと思ってしまう
『でももう藍野さんって呼んでくださいね!
今の耳に焼き付けました!』
理由を聞くと、どこかで誰かに聞かれたら
フォローできる自信がない。と...
「...そういうところだよ」
『え?』
俺なんかより他の奴の方がと
ずっと考えていたはずなのに...
この時間が続けばと思ってしまう
ずっと彼女の横にいられたら...