
大切な人へ
第11章 2学期の始まり
「じゃ美女コンは藍野に出てもらうな」
担任の声に落胆するわたし...
『井川くんのせいだから』
「は?なんで俺だよ。多数決じゃん」
『誰のせいで順位知られて
余計に表が入ったと思ってんの!!』
イヤすぎる...
恥ずかしすぎる...
「まぁまぁ。成績関係なくても
藍野さんだったと思うよ?」
穏やかに上田くんがなだめてくれる
「紗羅がダメならこのクラスで
1番可愛いの藍野さんだから!頑張って」
..... 。
こういうのをあてられるって言うのかな
仲の良い2人を見て力が抜けてしまう
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「はーいこっちむいて笑って~」
「もっと笑って?うん可愛い!」
カタログとポスターの写真撮影
慣れない作業に疲れる...
当日も投票箱を置く部屋には
写真と簡単なプロフィールが貼られるし
今も廊下にずらりと張り出されている...
他の子達はみんな綺麗で
お化粧した子や音楽室で写る子もいる
私はどこでもいいと言って中庭になった
はぁっとため息をついてカタログを
見ていると、井川くんが
「自分に見とれてんの?」
意地悪に言ってくる
『他の人にね!
これが文化祭までずっとなんて恥ずかしい』
机におでこを押し付ける
「俺は藍野が一番だと思うけど。
優勝しちゃうかもな」
ははっと笑う彼に
しないから。とだけつぶやいた
