
大切な人へ
第11章 2学期の始まり
『どうしたんですか?急に』
放課後、珍しく先生から呼び出された
「うん。ごめんバイト前に」
私は首を横に振った。
「この前の試験良くできてたね
担任の藤田先生もすごいってほめてた」
『やっと科学で100点とれてよかった』
「だからもったいないって言ってたよ?
...大学行く気ないの?」
その話だったんだね
「ごめん。志望校まだ書いてくれないって聞いた
この間就職指導室にも行ったみたいで
大学行かないつもりかもって...」
『知ってたんだ...ずるいな藤田先生』
「みんな心配してるんだよ
どうして?こんなに勉強頑張ってるのに」
『勉強するのは高校生なら当たり前だよ
もう行かなきゃ...ごめんなさい』
私は逃げるように帰っていった
先生にも嫌な言い方しちゃった...
