
飴と鞭と甘いワナ
第4章 scene Ⅳ
「仕事はして!予約入ってるんだから!」
「体調不良にしといて」
「やだ」
「何でだよ!」
だって今日は絶対笑えない。
それこそ、カットなんか皆丸坊主にしそうだっつーの。
「何があったか知らねーけど、相葉ちゃんとすばるは何でもねぇぞ?」
…知ってるよ、雅紀も言ってた
でも、何か信じきれてないんだよ
いや、まて
何で大野さんがそれを言う?!
「…何言ってんの?」
「え、んー…何となく?」
お得意の "てへぺろ" 顔。
それからは俺が何を聞いてもはぐらかしてしまい、答えてはくれなくて。
「相葉ちゃんと上手く行くといいな!
…せっかく両思いなんだからさ」
なんて、勝手に話を締めて
「さ、仕事仕事!」
無理矢理腕を引っ張って、俺は店に引きずり出されてしまった。
店に出てしまえば、口煩い潤もいる。
これでまだごねたら、俺がヤバい事になるのは分かるから
俺は笑顔の仮面を貼り付けて
…心を完全に "無 "にして仕事をこなした。
