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飴と鞭と甘いワナ

第6章 HurryUp! episode 1



ン?…あ、ちょっと待てよ。

立駐に入る手前の路肩に一旦車を寄せた。

アイツのコトだ、必ず俺のマンションに真っ先に来るはず。

だったらマンションに車を停めて…からの行方晦ましってのはどうよ?

車見て

"やっぱり"
安心しきってダレた顔が思い浮かぶ。

インターホンをいつもみたいに鳴らすだろ。

俺はもちろん居ないから出るワケないンだ、馬ぁ鹿。

首傾げながらも怯(ひる)まないアイツは余裕ぶっこいたドヤ顔で合鍵出してくるハズ。

"ニノ?……ニノちゃん?"
猫撫で声で俺を呼びながら玄関入って。

暗い廊下を抜き足差し足で忍び込むのが容易に想像に出来て笑ける…で、スニーカーが無いのに気づくのは何故か最後の最後なんだよな、相葉さんの場合。

そっから青天の霹靂かってくらい見事な慌てっぷりで大騒ぎして。

あー可笑し過ぎる、堪ンない。

そうやって小っこい脳ミソの中、俺のコトだけ考えてろっての。

そうとなったらとっとと車を置きに行かなきゃだな。

仕掛けは流々、仕上げを御覧じろって。

鬼さんこちら、手の鳴る方へ。

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