
飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
翔さん!!
マジか!?
思わぬタイミングでのメンバー出現に正直、助かったと強張った身体からチカラが抜けた。
それを相葉さんが良しとするワケもなく。
小さく舌打ちしたその口は
「翔ちゃーん」
一瞬で"相葉ちゃん"モードへシフトして、手はブンブンと振られた。
「お疲れ〜」
俺が口を開くより先に
「俺、今日さニノのマネージャー代行なの」
"ね?"
そう言いながら俺を覗く目元には笑いジワが刻まれてるケド…その瞳の奥は暗く、ギリギリと腰に指先が食い込んでいくのが偉く痛い。
しょうこと無しに
「"二宮さんの一日"って企画らしいッスよ…ンで翔さんは?」
"…これからどうすンの?"
ポーカーフェイスで何となく調子合わせて
"早く此方へきて"
念を飛ばす。
「俺等飯に行くんだけど…」
"な、ニノ"
それはこの後も離さないって暗示が混ざってて。
だから翔さん…お願い、飯に付き合って……
「ざーんねーん」
願い虚しく翔さんの手はバツのジェスチャー。
つまり それはGAME OVER。
頭の中で小っさなゲームキャラクターがクルクル回ってポテンと果てた。
