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飴と鞭と甘いワナ

第7章 episode 2


「何すンだよ!」

"この野郎"
俺の上から蹴り落とされた相葉さんがビョンとスゴい勢いで跳ね起きてくる。

あー スゴい。

腹筋鍛えてるだけあってダルマ的な反動で戻って来やがった。

アッと云う間に元のマウティングポジ取り返されて。

「もう…乱暴はヤダ」

結ばれたまんまの両手を伸べて 相葉さんの首へスルリと嵌める。

「鬼サン…コチラ……」

"……手ノ鳴ル方へ"

手を鳴らすのは俺。

俺を啼かすのは君。

口唇をペロリと舐めて誘う。

俺がオマエ以外の誰にもコトを犯らせてないのを分からせてやる……じゃなくて…分かって欲しい……オマエにキチンと確かめられたいから……

「もう……降参」

両手をホールドアップ。

つまり それは "抱いて…" のサイン。

「……カズ」

相葉さんの声が一段と低くなって雄なオーラが迸る。

鎖骨に食い込む犬歯。

「…ッ…クゥ」

痛くて跳ね上げた顎先をグイッと捕らえるのは長い無骨な指。

「まだ逃げる余裕あンのかよ…」

"…もう逃さないぜ "
地を這う様な響きが背筋を戦慄かせた。

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