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飴と鞭と甘いワナ

第7章 episode 2



いきなり寸止め喰らわされて。

ポカンと見上げてる俺の口唇にチュッとキスすると

「鬼さん コチラ…」

"…追い掛けて来いや"

鮮やかに身を翻してく その背中。

「待て!」

脱ぎ捨てたトランクスに足を突っ込んで。

つんのめりながら慌てて羽織ったネルシャツは裏返し…構うもんか。

玄関のドアが閉まる音に気が逸る。

犯り逃げされたンならまだしも、中途半端な焦らし…からの放置プレイ。

AV紛いの醜態、サービスしちまったよ、俺…タダ見させンじゃなかった…金払え、だ。

あ、愚痴ってる場合じゃないか。

靴脱ぎに散らかったスニーカーを爪先に引っ掻けて走る。

下りのエレベーターが速攻で来たのは超ラッキー。

エントランスを飛び出したその目の前を山吹色がゆっくり横切ってった。

ご丁寧にこっちを見て…手を振ったかと思うとアッカンベーまでしやがった。

クッソー!!アウトかよ。

絶対 仕留めてやっからな!

中指立てて 息巻いて。

待ってろや!son of a bitch!

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