
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
だからさ、掛けられたタオルをずらそうと
手でちょっと動かしたら
シャワーヘッドで旋毛をど突かれた。
痛っ!
「もうっ何すんだよ」
″シーッ、静かに″
ってニノの声。
やっぱ俺が悪いのか?。
クソッ……何か面白くない。
「…………………………………………………………腹減った」
腹立ち紛れの適当な呟き。
水栓の閉じる音がして、ニノの気配が遠退いた。
向こうで何かバタンと閉じる音がして。
バリっとビニールが破かれたっぽい。
口唇にグイと一気に押し付けられた柔らかく、ヒンヤリした触感。
更にグイと押すから潰れる前に口を開けた。
シットリした皮と甘いカスタードクリーム。
ニノのお気になプチシュー。
しかもコンビニのヤツ。
一つ二つ………
三つ目を押し付けられる前に口唇を固く結んだ。
黙ってりゃ調子に乗りやがって。
もう食わねぇかんな。
クククとニノの忍び笑いが聞こえて。
シューの代わりに何かがスッと口唇をなぞった。
指?
そしたら……
………………………チュッ
何、今の?
まさか!?
