
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
N side
あ、やっちゃった…。
まだするつもりなかったんだけどなぁ
…自分からしときながら、恥ずかしくなってきた
目ぇ隠しといて良かったー。
だってさ?
あんなにモジモジしちゃって
ブランケット握りしめて
そのくせ腹減ったー…、なんてごまかすから
俺のおやつのプチシュー突っ込んであげたら
…可愛くモグモグしちゃうんだよ?
それでなくても、耳いじくってる時の雅紀にドキドキしてたってのに。
まあね、俺もわざと
いつも以上に体を密着させたり
低い声で囁いたり
…煽るようなコトしたけど
正直、ここまでゾクゾクするとは思ってなかった
何かを考える前に、指が勝手に唇をなぞってて
…気付いたらキスしてた
柔らかいそれに触れてすぐに
俺もハッとして
だけど、ガバッと離すといかにも「思わずやっちゃいました」って感じだから
チュッ…てリップ音を立ててから、ふわりとそれを離した。
雅紀に俺の動揺を気付かれないように。
…まぁ、雅紀自身がすっごい動揺してるの丸分かりだから大丈夫だろうけど
一応、念のため
