
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
そっとタオルを外したら
…雅紀ってば、目尻に涙溜めてるし
それ見たら、さすがにちょっとやり過ぎたかなぁ
、なんて罪悪感がないワケでもない
けど
やっぱり…ねぇ(笑)
…なんて気持ちを隠して
乾いたタオルで優しく髪の水気を拭き取ってから
「起こすよ」
何事もなかったかのように
倒していた背もたれを起こした。
雅紀は何も言わず、…でも顔は赤いまま
髪を拭く俺に身を任せている。
多分、何を言っていいのか分からないんだろうね
さっきから
口を開きかけては閉じるのを、繰り返してるし。
「あっちに移るぞ」
タオルで髪を包み込んで、雅紀の肩を軽く叩く
「あ…うん」
雅紀はそう返事はするものの、動こうとしない
そればかりか、移動の為に取ろうとしたブランケットも
握りしめて離そうとしなかった
あ…もしかして?
顔は赤いままだし
少し息は浅いし
これは多分
いや、間違いないな
「雅紀…もしかして勃ってる?」
もう一度、耳許で囁いたら
ビクン、と雅紀の体が大きく震えた
