
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
「いやっ…気のせい!うん、気のせいだからっ」
…バカか
同じ男だから、お前の今の状態くらい分かるわ。
ってかさぁ
「…お前、そんなにウブだったの?」
特に的確に触ったわけでもなく、言ってしまえばコドモのお遊び程度
まぁ、耳はいじくったけど
そのくらいで?
…とは言ってもこれで放置するのも可哀想だとは思う。
熱が引くまで待つのも、ねぇ?
それに俺も
正直、雅紀のソノ顔にかなり煽られてる。
「ね…雅紀?」
「え、」
戸惑ったように俺を見上げる雅紀。
まだ目は少し潤んでて、薄く開いた唇から漏れる浅い吐息
…だからその顔がヤバイんだってば
「…っ」
ブランケットを掴む手を、両手で上から押さえ込む
そのまま噛み付くように、雅紀の唇を自分のそれで塞ぐと
…雅紀の目が大きく見開かれたのが分かった
「ん…っう…」
容赦なく、舌を探し当てて絡めとる
逃げていた雅紀のそれは、やがておずおずと受け入れて
久しぶりのキスに暫くの間、酔いしれていた。
