
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
ビビってねぇーし…
って言い返せないでいるとフッて煙吹かれて。
煙の沁みた目をシバシバさせてると、その隙に顔面距離ゼロまで詰め寄ってくるニノ。
「近い近い近ーいって」
公衆の面前って言葉知ってますか?
グイと肩を押し返し
「何のつもり?」
俺の気持ち試すみたいなその態度。
揶揄ってんの?
したら
"別にぃ"
なんてあっけらかんと手の平を返してくる。
チクショー!
こうなったら
「…ニノ」
ちょっと声抑えて。
ン?て怯むニノ。
「俺、負けっぱなしじゃん?だからさ…」
両手合わせてお強請りのポーズ。
"振り"だけど。
「リベンジさせて」
"リベンジ?"
なんて呟きながら窺う目が裏を読もうとしてンだろうが裏なんて無ぇって。
真っ向からのお願いだかんな。
しかも俺が滅多にしない上目づかいのオプション付けてんだもん。
ニノの目がクルクル動く。
「身体使うのは却下」
よっしゃあ…キターッ!
ま、先手は打つのはさすがだけど。
