
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
仄かな薄荷の匂いと脂(ヤニ)臭さ。
天井で回ってるサーキュレーターのモーター音。
キューを持つ右肘をクイクイ引かれて。
呼ばれてたコトにやっと気づいた。
SU「……ホラ」
羅紗の上を滑って寄越されたキーホルダー。
「えっ?」
其方を見れば……
スバルくんに負ぶさるみたいな信ちゃんが居て。
その信ちゃんをウザそうにしながらも、好きにさせてるスバルくんが立ってた。
SU「……湿気た面すンなや」
tableの外枠に置いてたタバコを咥えて
SU「ま、大体話は聞いた。
俺としちゃそんな仕様むないコトに此処を使わせたないけど……」
フーッと煙を細く吐いてスバルくんは口の端をニッと歪めた。
SU「しょうがない…それでしか勝負にならん相手なんやったら…」
………もしかして
SU「…使てえぇよ」
マジで!?貸し切りOK!?
SU「火の始末と…あ、戸締まり」
心得ております、オーナー殿。
SU・S「「勝てよ 」」
合点承知!!
舞台は揃った。
決戦は金曜日。
