
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
「相葉ちゃんを、何だと思ってるわけ?」
大野さんの目は、…眠たいからなのか怒ってるのかがっつり据わっていて
…まあ、前者だろうなとは思うけど
「んー…友達?、いや違うか」
玩具? 都合の良い僕?
…でも、ちょっと好き
なんて言えるわけないだろ
大野さんが、何を考てえこれを聞いてるのかも分からないんだから
下手な誘導尋問には引っ掛かってたまるかッつーの
「にのって、ホント素直じゃねぇなー」
「え?」
「俺ね、一回覗き見した事があんの」
「はぁ?!」
ちょっと待て!まさかこないだじゃないだろうな?!
万一そうだったら…死ねるぞマジで
「先月…いや、その前かな」
違った…!
やたらデカい溜め息が出てしまった
思わず脱力してしまう
「あん時のお前の顔がさ、違ったんだよなー」
何が言いたいんだ
黙って大野さんを見るしか出来なくなったじゃないか
「憎まれ口は凄いのにさ、
髪を洗う時のにのって…スッゴい優しい目をしてんだよ」
