君と僕の超短編集
第29章 29
寒いと思ったら外はもうすっかり雪景色になってた。
雪もまだ降り続いている。
「ねぇ 外凄いよ こっち来てみて」
ソファーで横になってた翔ちゃんがムクッと起きた。
『どうした?』
「雪… 積もってるよ」
『ほんとだね どうりで寒いはずだわ』
『智くん 外に出てみない?』
「…寒いじゃん…」
『大丈夫!暖かくして行けばさ。ネッ?』
コートを羽織り手袋にマフラーで完全防寒して二人で出かけた。
並んで歩く道。
フニッて翔ちゃんに手を掴まれた。
顔を見上げたらニコニコして自分のポケットに俺の手を入れた。
『この方が暖かいでしょ?』
「…うん」
きっと俺の顔 真っ赤だな… 翔ちゃんの顔も真っ赤だよ…
翔ちゃんがギュッて手を握るから 握り返した。
寒さなんか気にならないくらい心が暖かいよ。
翔ちゃんもそうかな…
見上げたら翔ちゃんが
『智くん…暖かいね。俺…スゲー今幸せ…』
「…俺も…」
おわり