魔王の恋愛事情
第1章 方言男子①
人目を避け…
普段は使わない屋上に…真央を連れて行く…
「ここなら誰も居ないから…
緊張してるのは解るけど…皆の前で一言も喋らないつもりか?」
俺は、床に座りパンを口に運ぶ真央を睨みながら嫌味をぶつける…
「だって――――…」
真央は、ふて腐れた様に俺を見ている…
「すったらごとへたでなまりことれるまでいばでねーべさ」
――――――…はい?
そう…こいつは…
見た目“ゲームキャラの魔王”と呼ばれるくらい日本要素ゼロなのに…
がっつり東北の一部地域だけが使う方言でしゃべるのだ…
そう……めちゃくちゃ訛っている…
「魔王様…なんの呪文唱えたんだよ…」
「!彩羽まで、“魔王様”とかへう(言う)!」
真央は、更にふて腐れた…
「はぁ…その容姿でガチ訛りは…流石に引くよな…
こっちで暮らすなら…標準語マスターしないとな…それまで無口の外人で…通せ…」
真央は、コクンと頷く…