魔王の恋愛事情
第7章 ロールキャベツ男子①
「――あ、ありが「ただし!条件があります!」
「へ?」
勢い良く顔を上げた卓球部の部長は…
柔らかく笑う会長の提案を飲まざる得なくなっている…
「条件…とは?」
「わが校は、スポーツの分野で大変活躍しているのは知っていますね?
しかし…卓球だけは…
低迷しつづけている―――…」
「う゛……」
卓球部の部長は、痛い所を突かれて…後退りする…
「―――――次の大会で…
表彰台に乗っていただけますよね?」
たかが…追加予算で…無茶ぶりにもほどがあるが…
国木田会長は、笑顔で卓球部部長の持ってきた追加予算書に…赤ペンで大幅に予算を書きたした!!
「!!会長、こんなに予算を?」
卓球部部長は、前のめりで自分たちに落ちる予算に驚く!
予算案を見ていた俺でも…驚いた!
「この予算で――――…
不満は無いはず…」
いつもより…声のトーンが低い…
「――――…ぁ…しかし…」
「“しかし”や“でも”は嫌いです!
やってくれますね?期待してます……
杁尾(イリオ)部長――――」
国木田会長の…微笑みは優しくもあり…相手を油断させる…
「――――はい…頑張ります……」
卓球部部長…杁尾 卓(イリオ・タク)先輩は…
頭を深々と下げ生徒会室を出ていった…