深夜のお巡り
第1章 深夜のお巡り
寝静まった真っ暗な部屋の中で1人、懐中電灯を照らしながら歩いている。
これは、男子寮の清掃員が毎回交代で行う深夜の見回りである。
「まったく。本当に真っ暗だよ...楽な仕事だけあって不気味過ぎるって」
稀に見える緑色に光る非常口の点滅。電気の目印ボタン。少し見えるのが逆に怖さを際立たせる。
時刻は深夜の午前3時頃。寮に居る生徒は皆んな、夢の中にいる時間帯
見回っているのは毎回1人
少しサボったってバレる訳でもないし...
そろそろ帰ろうかな
見回りが終わり次第、玄関に貼られてある勤務表に丸を付けて状況を記入するだけの簡単な仕事である