テキストサイズ

針の山

第1章 針の山


「ちょっと! 冗談でしょ?」

「ふふふ。これは自分で作った物
ですし、自分で使っておりますから
呪いのアイテムではないですよ?」

 私の家政婦はそう言って
針山から針を一本摘まみ出すと、
新しい刺繍糸を通す。血のように
赤黒い糸を。

 そして、涼し気な表情で、
彼女は刺繍枠の中央に咲いた、
真っ赤な薔薇の花弁に赤黒い糸で
陰を縫いつけていった。

「でも、奥様。贈り物には気を付けて
下さいね。特に手作りの物には、ね?
何が入っているか分かりませんから」



=FIN=


エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ