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「なんであんたなんかが…」


「……」


「私のほうが嵐を好きなのに！！あんたなんかよりもずっと見てた…なのにどうして…嵐はあんたなんか選ぶの…」


「ーっ!!」



……嘘。だって美帆、そんな素振り一度も見せなかったじゃない。

美帆が嵐を好き？いつから？

頭の中をグルグルと回る疑問。

戸惑いを隠せないでいる私に美帆は衝撃的な事実を告げる。



「私は嵐のそばに居れればセフレだってなんでもよかった…」



ちゃんと声は聞こえてた筈なのに、通り抜けていく。言葉が拒否してるんじゃない。私がその事実を拒否してるんだ。

だって信じれない。信じたくない。

セフレ？美帆が？嵐の？なんで？どうして？

そんな意味のない事ばかりが巡る。

考えれば考えるほど悲しみに心は支配されていく。


奥歯をグッと噛み締めて、足の力を少しでも抜いたら今にも座り込んでしまいそう。

ピリピリとした空気を肌で感じながら何を喋ればいいか分からない私はただ地面を見てるしかなかった。