パパ、もう一度抱きしめて
第3章 合コンと彼
「え〜、皆さん二十七才?じゃあ私達とは八才も年の差があるんですね!」
ミワちゃんが相手方の年を聞いて、びっくりしていた。
医者になるには、大学に六年間行くらしい。そこから研修医としての下積みを経て、やっと希望の科で働けると知った。
すると、黒縁眼鏡がよく似合う小早川さんが言った。
「そっかー。君達からしたら僕ら、おじさんだよね。ごめんね、もっと若い子だったら良かったね」
「そんな事ないです!私は大人の男性、好きですよ」
「やったー」
マリの言葉に男の人達は嬉しそうだった。
気がつけば私以外の女子は、それぞれの相手と楽しそうにおしゃべりている。
ふぅー。
男の人に免疫のない私は、完全にあぶれてしまったようだ。
すると中心者の北川さんが、そんな私に気づいて言った。
「遼太郎(リョウタロウ)も来れたら良かったのにな。ついてないよアイツも」
遼太郎?ああ、もう一人の来るはずだった人ね…。
だけど私は何となく、すでに帰りたい気持ちでいっぱいだった。