パパ、もう一度抱きしめて
第4章 もう一つの家庭
「お疲れ様」
「ああ、疲れたー」
俺はビールを飲みながら、料理をつまんだ。
美緒がそんな俺をじっと見ている。
「お兄ちゃん、残念だったわね」
「何が」
「合コンよ。結局出られなかったでしょ?」
「…まあね。でも特に行きたかったわけじゃないし」
「どうして?」
「合コンなんて行ったって、そうそう理想の相手に出会えるもんじゃないさ。行くだけ無駄だ。かえってオペが入ってくれて助かったよ」
「またそんなこと言う。行ってみなきゃわからないじゃない」
「なんでそんなにむきになる」
「だってお兄ちゃん、いつも私の世話ばかりやいて、自分のことは全然構わないんだもん。心配なの」
「しょうがないだろ?俺は親代わりなんだから」
美緒
いいのか
俺が彼女を作っても。
ほんとに
平気でいられるのか……?