パパ、もう一度抱きしめて
第5章 ママのいない夜
優作side
「近いぞ、梓っ耳ふさげ!」
「ひゃっ!」
一秒…二秒…
ドォーーッンン!!
ものすごい雷音が辺りに響き渡った。
「パパこわいよっ…」
梓は震えながらオレの胸にしがみついてきた。
「大丈夫だよ、ここには絶対落ちないから」
オレは梓の背中をポンポンと優しくたたいた。
「…」
「梓?」
案の定オレからもう離れようとはしない。
梓の身体の柔らかさと、洗い立ての髪の香りがオレの神経を刺激してくる……。
今オレに、つまり
“抱いてくれ"と言ったんだよな……?
確かに梓のオレに対する愛情ぶりは尋常じゃなかったが、まさかそんな事まで考えていたとは……。
どうしたらいいんだ。
可愛い、可愛すぎる…っ。
だけど自分の娘なんだぞ?
そんなのわかっている、わかっているのに…!!
「…っ」
オレは勢いよく梓を仰向けにすると、その身体の上に覆い被さった。