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パパ、もう一度抱きしめて

第6章 兄と妹


遼太郎side

美緒の両胸から脇の窪みにかけて異常がないかを、俺は丁寧に触診していった。
もちろん、早期発見のためだった。

けれど医者として、兄としても、唯一触れられない部分がある。


そのきれいなピンク色をした先端は、いずれ誰かのものになるのだろう……。
俺は一抹の寂しさと、虚しさを覚えずにはいられなかった。

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