パパ、もう一度抱きしめて
第11章 伝えたい想い
ピピッ、ピピッ、
「ん…起きなきゃ」
次の朝。午前六時のアラームで目覚めた私は、服を着替え顔を洗うとキッチンへ向かった。
「おはよう、ママ」
「おはよう」
ママがパパのお弁当を作っている横で、私は朝食の用意を手伝う。
私がオムレツの玉子を混ぜていると、ママが聞いてきた。
「ねぇ梓。荻野さんでしょ?前にあなたが話していた人」
「うん。ママにはすぐわかっちゃうんだね」
「わかるわよ。お医者さんって言ってたし…なんとなくね。
梓、彼とお付き合いするの?」
「…まだ、わからない」