パパ、もう一度抱きしめて
第11章 伝えたい想い
遼太郎side
俺は午前六時には病院にいた。
夕べ梓ちゃんを送り届けた後の事だ。
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家に戻った俺は、ソファーに座り、ビールを飲んでいた。
「お帰りなさい」
すると、美緒が自分の部屋から出てきて俺の側に座った。
「ただいま」
美緒の何か言いたげな目に、俺はもう覚悟を決めていて、じっと次の言葉を待つ。
「…私、結婚するわ。今日あちらのご両親とお会いしてきたんだけど、私達の事、すごく喜んでくれたの」
「そうか…。良かったな。美緒、おめでとう」
「お兄ちゃん…」