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迷霧

第2章 2

 そんな状態が三十分くらい続いたが、いっこうに霧が晴れない。それに、目的の蕎麦屋も見当たらない。霧で周りの景色が見えないせいなのかもしれないけど……。


 影山先輩が左のウインカーを出した。オレたちは徐行しながら左に寄っていく。うっすらとだけど、建物が見えた。


「はあっ……やっと一息つける」


 霧の中での慣れない走行と緊迫状態で、身も心もクタクタだった。
 オレと影山先輩はバイクを停めると、周りを見渡した。


「ちょっと、これどういうことだよ」


 オレたちの隣に駐車したスポーツカーの窓から、鈴原さんが顔を出した。


「この辺はたまに霧が出るんです」


 影山先輩が困った表情で答えた。
 とりあえずこのまま走るのも危険だからと、たまたま見つけた休憩所の看板を見つけて、霧が晴れるまで休憩することにしたらしい。


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