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迷霧

第2章 2

「あ~もう、お前らに声かけるんじゃなかったわ」


 鈴原さんは車から降りると、ぼんやりと明かりが灯っている休憩所へと歩いて行った。
 その後すぐに、助手席から凛音さんが降りてきた。


「すみません……」


 影山先輩が凛音さんに謝る。


「あなたのせいじゃないわ。私もこんなに霧が出るなんて思わなかったし」


 凛音さんが不機嫌だったのは、オレたちのせいではなさそうだった。


「とりあえず休憩所で休もっか」


 オレたちは頷くと、休憩所へと歩き出した。


「う、うわぁ────!!」


 突然の悲鳴にオレたちは顔を見合せ、そしてすぐに鈴原さんの元へ駆けつけた。


 休憩所の扉を開くと、一瞬カビ臭い匂いがした。しかも中は薄暗く、今にも消えそうな蛍光灯には虫が集っている。
 周りには無造作に置かれた机と椅子、壁にはいくつか動く黒い物体──ん? ゴキブリ?


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