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迷霧

第2章 2

「ですよね、前はここまでひどい霧じゃなかったのに……」


 影山先輩が独り言のように呟くと、男は「そうかい? 僕はこんな霧は初めてだよ」と答えた。


「昭さぁ~ん! どこぉ~?」


 その時、後ろの方から女性の声がした。
 霧の中からさっきの女性二人組の姿が現れる。


「あ、ここにおったん~? もう霧で全然周り見えへんし~」

「どうしたんだい?」

「トイレに紙がないんよ! しかも電気ついてなくて真っ暗やし~!」

「こんな所じゃなくて、もう少し綺麗なトイレはないの?」


 二人ともトイレの不満を漏らす。
 あの休憩所の建物といい、トイレといい、ここは管理されてない休憩所なんだろうか?


 そういえば凛音さん、遅いな……。
 真っ暗な中で大丈夫なんだろうか…。
 オレがそう思ってると、


「そういえば凛音は?」


 鈴原さんがキョロキョロと辺りを見回した。


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