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迷霧

第3章 3

 オレたちは鳥居の奥に行ってみることにした。


「心配だし、僕も行きますよ」

「民家があるなら、綺麗なトイレがあるかも」

「もう、うちは紙さえあればええわ~」

「ぼくはお腹空いちゃった。なんか食べるものあるかなぁ」


 彼らは民家があることを前提に話してるけど、本当にこんなところに人が住んでいるんだろうか。
 鳥居をくぐる前に、オレはふと鳥居の根元にある大きな石に目をやった。


「……えっ……」


 ギクッとした。
 なんとその石はドクロのような形をしていた。
 誰かが石を削って作ったのか、もとからその形なのかよく分からないが、凄く不気味だった。
 

 みんなはそれには気づいてない様子。怖がらせるのもなんだし、オレは見なかったことにした。



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