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迷霧

第3章 3

「こんなところに集落が……」


 オレたちは歩きながら辺りを見回した。
 民家はポツポツとあるものの、全体的にはそんなに広くない。舗装されてない砂利道を五分ほど歩けば、また杉林が見えた。どうやら森に囲まれているらしい。


「とりあえず、片っ端から住民に聞いてみよう」


 昭さんの提案で、オレたちは二手に分かれて凛音さんと鈴原さんを探すことにした。三十分たったら、赤い屋根の家の前で集合することを約束して。


【Aグループ】
昭さん、オレ(陽太)、朱里さん

【Bグループ】
影山先輩、恵美さん、空くん


 影山先輩と離れてしまった。
 仕方ない……リーダーシップを取れる者を決めたあとは公平にじゃんけんで決めた。


「洋平と離れちゃって残念やねぇ~」


 朱里さんがまた変な言い方をする。
 ……てか、いきなり名前を呼び捨てするなんて、馴れ馴れしすぎるぞ。


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