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迷霧

第4章 4

「……う……あ……」


 あまりにも衝撃的な光景に声が出せず、オレはその場で尻餅をついてしまった。


「どうした、陽太くん!」


 声と物音で気付いたのか、昭さんがオレのもとに駆けつけてくれた。


「これはっ……!」


 昭さんもぶら下がるソレを見て驚愕する。
 が、なぜか怖じ気づくことなく、ソレに近づいていった。


「……しょ……なっ……」


『昭さん、何やってんだよ!』
 そう叫びたいが、声が出ない。
 昭さんは大胆にもソレの顔を下から覗きこんだ。


「どうしたん? こんなとこ座って」


 背後から朱里さんに声をかけられた。
 顔を背けながらソレの方を指差すと、朱里さんは低い声で「……あぁ」と呟いた。


「これな、本物ちゃうで」


 朱里さんの意外な言葉に驚き、オレは目を開けてぶら下がってるソレを恐る恐る見た。


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